体内時計の謎に迫る/大塚邦明
2017/08/20
著者は循環器の専門医で時間医学・老年医学が専門との事。
時間医学という言葉をはじめて知ったが人をはじめとする生物が様々な周期性を持って生きているという事は感覚的に知っている。それを医学的・生物学的に研究している分野ということだろう。
本書はちょっとした読み物としては少々難しい内容に思える。医学的な専門用語や科学的なデータを使っての解説が多いからだと思うが遺伝子の種類やそれらがもつ作用、その機序などある程度の知識があっても難しいと思ってしまう。
それだけ科学的根拠に基づいた話という意味がありきちんと本の最後には引用文献がならべてあり文献さながらの一冊だ(笑)
最も大きなお題としては我々が生活している中での生体リズムというのがどういうことに基づいて起きていてこれまで無関係とされてきた、もしくはその関係性に一切気づいていなかったような出来事にも実は生体リズムが関係しているのではないか?というアプローチ。
もちろん病気との関連がその主たる内容だが、もしこれらに因果関係があることがはっきりとするなら生活習慣病など多くの病気の予防にも役立つしなにより自分自身が生活のリズムを作るということで予防ができるので手軽で安いものだ。
元々時間や脳波、心拍数など多くの周期性に興味があったのでとても面白く完読した。
スポンサーリンク
本書もくじ
チャプター1.生体リズムとは?
チャプター2.時間と医学
チャプター3.親時計と子時計とは?
チャプター4.時間構造とクロノミクス
チャプター5.生体リズムが乱れると生活習慣病になる
チャプター6.健康を維持し、病気を防ぐための考え方とその対策