日本の医療は変えられる/伊藤元重
2017/08/21
日本の医療における複雑な問題点を経済的、政治的視点から考察し、その改善方法について考察された一冊。病院の経営者、ドクターはもちろん統計、経済の専門家からの意見も大変参考になる。
医療に限らず明治維新以降西洋の流れを汲んできた日本だが、医療制度にも日本独自の分化、人間関係の性質、国民皆保険の性質とオリジナリティーがあるゆえ簡単に西洋のマネごとではうまく行く事ばかりではない。
国の政策によって一気に体制を整えるのが早いのだろうが主要となる団体との関係、周辺組織との関係等々バランスを取りながら変えていくしかないのだろう。むく方向は患者にとって良い医療。それを各自が心すれば良い方向に行くはずなのだが既得権益やプライドなどの邪魔も入ってくる。
今後高齢化社会がより加速し医療費赤字ももれなくついてくる。日本の良い保険制度、医療を損なうことなく皆が学び最前の方向に進むことを心から望む。
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本書もくじ
第一部:医療を考える経済学の視点
第二部:日本の医療を変えるー先端からの発言
第一章:大学病院から見る日本の医療の課題
第二章:既存制度の矛盾を見据えて大胆な改革を
第三章:医療制度改革は国の視点から地域の視点へ
第四章:「見える化」で医療は変わる
第五章:「医師不足」にどう対応するか
第六章:医療情報の開示で患者は救えるか
第七章:大学病院再生への突破口
第八章:医療政策に必要なのはデータに基づいた議論
第九章:医療と医学教育の何をアメリカに学ぶか
第十章:医療資源の適正配分に向けて