超常現象の心理学~人はなぜオカルトにひかれるのか/菊池聡
2017/09/04
題名だけを読んだらオカルト現象は心理学で説明できるのか!?と思ってしまう(苦笑)
既に説明できるようであれば昨今のテレビ番組は全て嘘となってしまいます。
著者は認知心理学・神経心理学を専門としている。
決してオカルト現象自体を全否定しているわけではなく、どの道(科学的な説明も含め)説明ができないものを言ったもん勝ち!的に存在するかのように言う輩を批判している。
分かっているのかいないのか?という極論で言えばもちろんわかっていない。
しかし、なんとなくそうではないか?と思ってしまうのはなぜなのか?まるで根拠があるような説明をされて妙に納得してしまう事には裏がある。
第四章・第五章では真夏の激闘(上・下)と題してテレビ番組で対談した霊能者との激闘具合が記されている。
科学的に根拠のない血液型による性格判断。この統計によるトリックや錯覚も興味深い。
そして占いやカウンセリングといった非医療が人々に与える(悪い意味での)影響については私個人的には施術者の技量と倫理性の影響が大きいとは思うが実際に起きている被害について語られている。
心理学という科学とも非科学ともいえるような分野で一昔前までは怪しい分野とも思われていた。心理学者としての変な奴扱いの辛さも現代における心理学の位置づけを阿波わしているのだろう。
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本書もくじ
第一章:客観的事実と「こころの真実」
第二章:宇宙からの使徒
第三章:超常現象研究の危うさ
第四章:真夏の激闘(上)
第五章:真夏の激闘(下)
第六章:血液型性格判断という錯覚(上)
第七章:血液型性格診断という錯覚(下)
第八章:心理学者の悩み
第九章:占いとカウンセリング
第十章:クリティカルな思考のために