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10年で消える職業、なくなる仕事
引用(リンク先:オックスフォード大学。pdfファイル)
THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?
Carl Benedikt Frey†and Michael A. Osborne‡September 17, 2013
雑誌でもネットでも話題になった話ですが、オックスフォード大の人工知能を研究している人があと10年で消える職業、なくなる仕事というのを702業種調査したという論文が発表されました。この記事を書いているのは2019年ですが、論文が2013年なので2023年には。。。と言ったことになりますでしょうか。もうあっという間ですね(苦笑)
日本での現状
日本だけを見てもこれまで下駄を作っていた職人さん、和服の反物を仕入れる人、つくる人、販売する人など和服から洋服へと時代の変化に伴い激減していると思います。これは世の中全体の発達によって環境や時代が変化した事によるものですが、今回の発表はIT技術の発展によるというのが主にその原因として調査されています。
確かにコンピューターの技術で多くの作業が効率化されているのは今現在でもあちらこちらで十分実感できます。
もろをが経営していた飲食店というジャンルを例にとればファミリーレストランやファーストフード、回転ずしなどが一番その恩恵を受けている事でしょう。厨房内にはたくさんのロボット(ヒト型ではないですよ(笑))があって確実に同じ商品が出せる仕組みができていますし、注文をとるのもタッチパネル、運んでくるのもベルトコンベア、お会計はお皿に埋め込まれたICチップで。。。
レストランの接客というと人間味こそが最大の魅力であるにも関わらずタブレットで注文するお店で食事をすることにも抵抗はないという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?これはお店の種類やそのお店が設定している客単価、ジャンルによってお客様から求められるサービスは異なってきます。
もちろん全ての仕事が奪われるという意味ではないから当然なのですが、タブレットを使っているお店では、本来注文を取るための仕事として働けるはずの人員は雇用されなくなるというのが今回の論文での考えです。
このような飲食店での接客のように、そんなの機械に任せたら色気がない!なんて導入したては思われているものも、いつの間にか日常に入り込んでいたりします。飲食店であればその時の一緒に飲みに行く仲間や状況によってお客様のほうがお店を使い分ければ良いだけでしょうし、かえって仲間内での大事な話を個室で飲みながら行いたく、店員に注文とるたびに邪魔されたくない時なんかは便利だったりもします。
これまで機械が人間に代わってできるのはあくまでも単純な作業の繰り返しなどと言われてきましたがビッグデータを解析していくことによって単純作業のみならず、さらに機械にできる事が増えていると言っています。
データの解析能力、センサーの技術向上、人工知能。そして人間にはある「疲労」がロボットにはないゆえに優れた仕事を連続的にこなしていく事ができる。
医療への応用
この能力を有効利用できる一つに医療現場があるというのです。
病気を統計(データ)と数値(センサー)で診断するとなればこれも可能なのでしょう。実際、西洋医学ではここ(EBM:科学的根拠に基づいた診断)が基本になっているわけですから人間よりも優れた医師ロボットというのはできるのかも知れません。これまで各々の医師が学会や論文からの情報を元に自分の診てきた経験を重ねあわせて判断してきたことをそれよりももっともっと多くのデータを元に血液検査などの臨床検査値と共に照らしあわせて診断する事になるので、より一層(統計的に)正確な診断ができることでしょう。
このような検査⇒結果ということだけでなく、はっきりと数値でわからない部分、例えば人の気持ち・悩み・気分といった精神的な部分についても人工知能が活躍することによってその曖昧さを解析し、より良い結果が出せるようになる可能性はあります。
あくまでも単純作業に比較してと言う意味ではありますが、今回の論文においてはこの手の人間性が関係している職業についてはコンピュータに奪われる可能性が低いと評価されています。
製造への応用
3Dプリンターの発達によって「部品の製造」的な仕事は大きく機械にゆだねられる可能性がありますね!?歯を3Dでスキャンしてその通りの歯形を3Dプリンターで作成して歯医者さんがその場で調整して完了。こうなるとかぶせ物ができる頃また来院って事もなくなるかもわかりませんが(診療報酬の関係で実際は何とも言えない)その現実の裏では技工士さんの仕事は減っていくのではないかと予想されます。
単に仕事が減るといっても今と同じ仕事は減るという意味であって、3Dプリンターが発達してくればそれらをいかに上手にコントロールして作っていけるか?など仕事の種類が変わる可能性があるということです。
税務においても勘定科目の仕分け、決算代行などは税理士の仕事でしたが既にソフトウェアによって素人でも簡単にウェブ上から入力できるようになっておりクラウドで管理までできるようになっています。今後は「作業としての税務」ではなくより税務の知識をベースにそれを活かした経営のサポートをする仕事が求められる事になり、単に専門家の仕事だから安心という時代ではなくなってきています。
薬局における調剤の現場でも処方箋受付から薬の調剤、処方せんの監査までほぼロボットで可能になっています(法律的な制限がある部分は一部不可能)。その分、患者さんと十分にお話をしたり単なるデータとしてだけで得られないものを会話の中から感じられたりという部分(患者の背景を知る)に時間が使えるようになり患者さんにとって良い方向!と国の評価ではなされていますが、前例の話からすればこの患者さんとの十分な話ですら人工知能の発展で必要なくなる時が来るのかも知れません。
これからの仕事、全てではないにしろこのような傾向が止まる事は考えにくいです。自分の仕事をどのような方向に持っていったらより効率的で相手にとってメリットを与えられるか?
この論文の著者は「これらは人類にとって歓迎すべきこと」と締めくくっています。人間にしかできない、よりクリエイティブな仕事、人間同士のコミュニケーション能力を高める事に集中していく事でより高次元な仕事、生活ができるという事です。
当サイト”人間もろもろ”はコミュニケーション能力を高めるにあたり大切な記事がたくさんありますので是非ご活用いただければと思います(^^)
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