聞く耳を持つ事の大切さ

聞く耳を持つ。これは歳を取って経験を積んでいくほど大事な事だと思います。

年齢を重ね様々な事を学び人生経験が豊かになり、自分にも幾分か自信がついてくると容易に人の意見を聞き入れることをしなくなります。もちろんこれは人の意見を鵜呑みにしなさい！ということではありません。

企業内での成長が考えを凝り固まらせる

どんなに広く深く学びあちこちに交流を持ち生活をしている人でも知らない事なんて山ほどあります。でもある程度の枠の中で経験としての偏りを体験（仕事であれば決まった業界・業種の中での仕事）してしまうとなかなか考え自体をその枠から抜け出せなくなります。それもそのはず異業種への転職を繰り返さない限り同じ会社の中で同じジャンルの仕事を続けることで昇進し、その道のプロフェッショナルになっていくわけですから。

やはり自分の信念に同調してもらえる意見はとても聞いていて気持ちが良いし自分自身がやっていること、これまでやってきたことを認められているのを実感するから嬉しいです。逆にちょっと反対意見とか自分の意見とずれている事を言われると「（これまでの経験と違うという判断から）それは間違っている！」という考え方に陥りがちです。

確かにそれまでの経験はその人にとって大変価値のあるものであり考え方の基本になっているはずです。そして多くの例外も見てきたうえで自分なりの今の考えに落ち着いている（落ち着いている途中）わけです。しかし時が経つにつれどんどん新たな例外はでてくるし全く守備範囲外からの意見というのに触れる可能性もまだまだ残されているはずなんです。

異業種交流会への参加の意味

同じ枠の中で考えていると考えが煮詰まるという事もありますよね！？他のジャンルの人との接触機会を得るために異業種交流会が行われるのもこういった偏った考え方から抜け出すヒントを得たいという理由からではないでしょうか？（多くの異業種交流会が本来求めるべく交流の意味をなしていないという話は別として・・・）

少し話がそれますが、異業種交流会に参加して名刺コレクターになっている人を見かけます。まさに自己満足（笑）こういう人に限って空気も読まずいきなり自分の商品を売り込もうとします。集めた名刺に片っ端から連絡し1人でも商品を買ってくれれば良いと考えているのでしょうか？長い目で見れば悪いレッテルが貼られてその後の活動がしづらくなることのほうがリスクが大きいように思えます。

異業種交流会に限らず自らの考えとは違う意見を得る時、さらにひとつ知識が増え新しい例外も知ることができる環境であるにもかかわらず、自分の意見を通したいがために、せっかくのあらたな意見・考えを拒否してしまってはその時点でその人はゴールです。つまりそれ以上は成長しないという事です。もったいなくないですか？

耳をふさいだら情報は入らない

以前耳の前に手をかざし、あたかも聞いているかのようなフリをしていた号泣議員がいました。本心はもう聞きたくないということの表れでしょうか？

良かれと思ってアドバイスをしてあげても聞く耳を持ってくれない人には全く通用しません。「あ、それは違いますから」と反論されておしまいです。状況によりアドバイスをしている人と反論している人どちらが正しいかはわかりませんが、少なくとも今後アドバイスをもらえる機会は減ってしまいます。

大事な事なので二度言います⇒聞く耳を持たない人ヘはアドバイスをしてくれる人も当然減ってきます。自ら情報を絶っているのと同じです。聞く耳を持たず自分にとって都合のよい情報だけを収集していけば、いずれバランスの悪い考え方が見につき偏った仕事の仕方をしていく事になってしまいます。

先輩から言われたこと、上司から言われたこと、同僚から言われたこと、取引先から言われたこと・・・相手にも一理あるかな？と、一歩立ち止まって情報を噛み砕いてみることが大切です。

自我が先行していくと自分の経験・考えと世の中がイコールになっているように錯覚します。これが正しい！こうあるべきだ！と思っていてもそれは世間全体の数％かもしれません。畑違いの人からの意見でこういったこともありうるという意見は大変貴重です。もちろんその意見が自分の業界では通用しない意見かも知れません。それでも一度聞く。

様々な方向から情報を得たうえで自分で取捨選択する余裕が大切。聞く耳を持つ！成長には欠かせないキーワードと思っています。

自分にとって好都合な話もそうでない話も一度聞いて自分の中で咀嚼してからゴミ箱へ捨てましょう。聞く耳を持っていないと新しい情報が入らないだけでなく周りからも見放されるというダブルパンチを食らってしまいます。